ICMTS2014

イタリアのUdineで3月の24日~27日に開催されたInternational Conference on Microelectronic Test Structuresの学会にマーフズが以下のタイトルの論文を発表しました。

In-Situ Variability Characterization of Individual Transistors Using Topology-Reconfigurable Ring Oscillators
by A.K.M. Mahfuzul Islam, and Hidetoshi Onodera_DSC3492

トランジスタの微細化に伴い、トランジスタ特性ばらつきが増大している。特に、低電圧動作においてトランジスタ特性ばらつきが回路の誤動作の原因となる。回 路設計時に、特性ばらつきがあっても回路が正常動作するように設計しなければならない。そこで、実際の特性ばらつきの正確な評価が非常に重要となり、ばら つき量によって回路の性能が大きく異なってしまうことがある。製造側としては、トランジスタの特性ばらつきを常に監視し、特性ばらつきを正確に反映するト ランジスタモデルを設計側に提供する必要がある。

しかし、特性ばらつきの要因は様々なものがあり、製造時に決まる要因もあれば、動作時に ラ ンダム的な特性変動の要因もある。前者は静的ばらつきといい、チャネル長やドーパントの数と分布の変動などが主な要因である。後者はゲート下の酸化膜内に 存在する欠陥や酸化膜に長時間電界がかかることにより性質が劣化する物理現象などが主な原因である。これらの様々な要因から発生する特性ばらつきの性質を 正しく評価することは簡単ではない。また、統計的な評価を行うために大量のデータをとる必要があり、面積とコスト的に効率な評価方法が必要となる。

効率的な評価手法のほかに、もう1つの問題がある。それは、単体バイアスのDC特性と実際の回路の特性との相関が低いことである。そこで、なるべく一般ディ ジタル回路の動作に近い状態でトランジスタを動作させ、その状態で特性を評価することで実回路との高い相関が得られる。奇数個のインバータゲートをリング 状に繋ぐことによりリング発振回路が生成され、このリング発振回路をディジタル回路の特性を反映するモニタ回路として広く使われる。しかし、リング発振回 路の場合、各々のトランジスタの特性が平均化され、各トランジスタの特性が評価できなくなる。

提案する手法は特殊なリング発振回路を用い、各トランジスタの特性を評価可能にした。提案手法は、回路的なアプローチを用いてトランジスタレベルの評価を可能にし、上に述べた問題点に対する答えである。詳細は論文まで。

イ タリアのUdineは小さくて奇麗な町である。基本的にヨーロッパの町は美しく、ヨーロッパの学会ならぜひ参加すべきである。この学会はいくつかの Social Eventがあり、他の研究者たちとよい交流ができた。Veniceの空港を利用したため、帰りの日は半日Veniceを訪問した。Veniceは非常に 特徴的な町で、水の上にできている。建物と建物の間は水で、みんなボートで移動する。Water Taxi, Water Busのような言葉を初めて聞いた。警察官もボートで見回るという面白い町である。

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